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【SDGs】国連児童基金 UNICEFと国連世界食糧計画 WFPの活動

国連事務局の下部機関や専門機関は多くあるが、異なる機関によって実に多岐にわたって仕事が行われている。その中でも飢餓や栄養問題に専門に取り組んでいる機関がある。この記事では、著者が国連で専門家としてフィールドで働いた経験をもつことから、比較的身近に感じるUNICEFとWFPの活動について説明したい。

著者 吉澤和子のプロフィールはここからhttps://libreriahealth.com/profile/

国連児童基金の活動

国連児童基金はユニセフ(UNICEF)とも呼ばれている。組織としては、国連総会の下部機関であり、主に開発途上国で、自然災害時などの緊急援助および中・長期的に援助を行っている。援助する分野としては広域に亘っている。計画や実施にはユニセフはWFPやWHOと連携している。

第二次世界大戦後、日本は食糧難でこどもたちの栄養不良問題を解消するために、UNICEF から学校給食用の粉ミルク(脱脂粉乳)の支援を受けたことがある。

費用対効果の高いワクチン接種プログラム

ユニセフの活動としては、保健分野を中心に、栄養改善,飲  料水供給、母子福祉、教育に及んでいる。また安全な飲み水のための井戸掘りプロジェクトも行っている。国連は予防可能な疾患のためにワクチン接種の普及に力を入れてきたが、実施はUNICEFとWHOである。

国連が発展途上国でワクチン接種プログラムを普及するおおきな理由は、感染症予防において費用対効果が高いからである。発展途上国での5歳未満のこどもへのワクチン接種は特別な意味を持つ。というのはこどもの生存に直結するからである。例えば、麻疹のワクチンはこどもが急性下痢症になるリスクを抑えるため生存率が上がる。また麻疹のワクチンを受けたこどもは、急性重度栄養不良にかかる確率が低いことが知られている。

F-75とF-100

ユニセフの重要な役割の一つに、こどもの下痢症の実態把握と技術指導とともに関連物資の提供がある。急性の下痢症になるこどもは重度の栄養不良に陥りやすいため、治療として抗生物質の投与や経口補水塩(Oral Rehydration Salts; ORS)が与えられるが、栄養管理も入院と同時に始まる。ユニセフは下痢症の治療のために特別に処方された治療用乳製品 F-75(中程度栄養不良用)やF-100(重度栄養不良用)を無償で提供している。

フィールドにおける実際の活動の実施は国際非政府組織(国内及び国際NGO)とともに実施する。

国連世界食糧計画の組織と活動

初等教育の就学率向上を目指す学校給食プログラム

国連世界食糧計画はWFP (World Food Program)とも呼ばれている。組織としては、国連総会の下部組織である。WFPは発展途上国での学校給食プログラムで有名である。このプログラムの目的は学校で給食を行うことで、栄養不良のリスクが高い子どもたちの栄養状態が改善し初等教育の就学率と出席率が向上するからである。

発展途上国では食べることも困難な貧困にある子どもは、家族の収入を得るために労働力となることが多い。このため学校に入学しても卒業できずにドロップアウトする率が高くなるのである。

学校給食はインセンティブ(動機づけ)

親が子どもたちを学校に通わせ、その子どもたちの通学が継続できるようにするために,学校給食をインセンティブ(動機づけ)として用いている。開発途上国での WFP による学校給食の実施により、1 年以内に就学率は 2 倍になり、2 年間で最高 40%学業成績が向上したとの報告事例がある。

給食プログラムで提供される食材は、現地で調達可能なもの、栄養が強化 されたビスケットなどが含まれる。日本の義務教育で行う給食とは程遠いかもしれないが継続されている。2016 年に WFP が60 か国で学校給食を提供した児童数は 1,640 万人と報告されている。WFPの活動はUNICEF や WHO など他の国際機関や NGO と連携する。

慢性的食料不安の大きな要因と今後

WFPが行う援助、加盟国からの拠出金により賄われている。WFP はこれまで食料支援を行ってきたが、支援を必要とする人が増える一方で資金が不足 し慢性的な食料不安が続いている。食料不安については、世界で起きている紛争や不安定な政治がある。この問題は近年さらに深刻になっている。

今後の国連児童基金と国連世界食糧計画の活動

この記事ではSDGsの開発目標2&3に関連する2つの国連組織の活動の一部を取り上げ解説したが、ここでとりあげた活動は緊急・短期の援助としては人道的な立場から必要である。しかし長期的にはサステナブルではないと考えている。

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