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ビッグデータの活用事例:インフルエンザの流行を予測する

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はじめに

ビッグデータの活用方法が注目を浴びています。ビッグデータは社会・経済の問題解決などに応用できると言われています。特にビッグデータの公衆衛生分野での利用可能性については、2014年に韓国の大学で行った公演を契機に、最新の情報を追加・更新しています。この記事では2つの具体的な活用事例を挙げ、ビッグデータの可能性について解説します。

Google検索クエリのデータからインフルエンザ流行を予測

近年、仕事や勉強で調査をする際、検索エンジンを利用する機会はよくあります。検索エンジンはさまざまな種類がありますが、よく利用されるものの中にはGoogleが運営するシステムがあります。単語やフレーズを検索窓に入力すると、関連する情報や記事がサジェストされ、必要な情報に迅速にアクセスできます。しかし、Googleにとっては検索エンジンに入力されたクエリはデータとして蓄積されます。同じまたは類似したクエリが頻繁に検索されると、社会で起きている問題やその変化をリアルタイムで把握する手がかりとなります。

2009年、Google検索エンジンのクエリから得られたビッグデータがインフルエンザ対策に活用できることを示唆する論文が、国際的な総合科学ジャーナルNature(ネーチャー)に「検索エンジンクエリによるインフルエンザ流行のピークを予測する」と題する論文が掲載されました。この論文によれば、このビッグデータを用いることで「インフルエンザと考えられる疾患」の流行ピークを、米国疾病予防管理センター(CDC)の既存の監視よりも1〜2週間早く予測できたと報告されています。この研究はCDCの疾病監視と比較してコストが抑えられるため、期待が大きかったでのす。

季節性インフルエンザとサーベイランスの重要性

季節性インフルエンザの流行は、重要な公衆衛生上の懸念事項となっています。世界保健機関(WHO)は世界全体で年間約10億件の季節性インフルエンザの症例数を報告しており、その中には300万〜500万件の重症な症例が含まれています。これにより、年間で29万〜65万人の呼吸器による死亡が引き起こされていると報告されています。インフルエンザ・ウイルスは変異しやすい特性を持っており、これまでにない新たな変異株が生じる可能性があるため、サーベイランスを継続的に行うことが重要と考えられています。そのため、多くの国でサーベイランスが実施されています。

米国のサーベイランス

米国では、季節性インフルエンザのサーベイランスが一年に亘り、米国疾病予防管理センター(CDC)によって着実に実施されています。このサーベイランスは、国内に広くカバーするインフルエンザ定点医療機関を含む広範なデータ収集を通じて、週ごとに患者数を把握し、その情報を定期的に一般に公開しています。この公開データは、インフルエンザの流行のピークを的確に予測することができるため、行政機関などはこれを有効に活用して医療計画を着実に進めることができます。
サーベイランスから得られた情報は、流行の傾向や影響の深刻さを包括的に把握する上で不可欠です。特に、インフルエンザの流行ピークの予測は、適切な医療資源の配置や公衆衛生対策の最適化に向けて重要な手段となります。この慎重で緻密なサーベイランスが、国内外の感染症対策において不可欠な役割を果たしていることは言うまでもありません。CDCの持続的な取り組みが、これらの情報収集の重要性を裏付け、国際的な基準の確立に貢献しています。

ビッグデータの限界

Nature誌において「検索エンジンクエリによるインフルエンザ流行のピークを予測する」論文の発表により、ビッグデータの有望な展開が期待されました。しかし、米国のCDCは因果関係の特定が難しいとして、検索エンジンクエリから得られたビッグデータを使用したインフルエンザのサーベイランスを積極的に継続しています。ビッグデータを活用して経時的な変化を観察することは可能であり、新たな洞察が得られますが、因果関係に必要なエビデンスとしてのデータは特定の目的をもって収集されていないと信頼性が損なわれる可能性があります。

ビッグデータの可能性

近年では、ビッグデータが社会・経済の問題解決に有効に活用される見通しがあり、特にAIとの組み合わせにより大きな可能性が広がっています。しかし、データの収集と解析においては目的を明確にし、信頼性の高い結果を得るためには慎重なアプローチが求められます。これにより、効果的なビッグデータ活用が未来の医療計画や社会課題の解決に寄与することが期待されます。

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