Since May 2020

国際学会での研究発表:AI 人工知能の利用

https://unsplash.com/photos/nOvIa_x_tfo
https://unsplash.com/photos/nOvIa_x_tfo

毎年開催されるアメリカ栄養学会での研究発表の仕方が進化している。この学会は毎年開催されているが、2022年はコロナ感染症が十分に収束していないこともあり、一部を除いて研究発表はオンラインになった。この記事ではデジタルポスターによる発表の事例をとりあげて解説する。

人工知能(AI)をとりいれた研究発表

学会の開催がオンランと聞いて、当初、Zoomでの発表を想像していたが、この方法では発表者が多いと無理があると思った。しかし手続きを終えた今、従来の開催方法とのギャップを埋めるために、AI(人工知能)を含めた新しいIT技術が導入され、コストパーフォーマンスを高める設計になっていることが分かった。

オンラインによるポスター発表の方法が変わる

ご存じの読者もいると思うが、発表者はアブストラクトが審査に通ると学会主催者から発表が口頭またはポスターによるものかを知らされる。今回は自分の研究発表はポスター発表になったが、オンラインによる発表がどのようになるのか、具体的なイメージがわかなかった。一通りの手続きを済ませた今、学会主催者側がオンライン開催をスムーズに行うために、AIを含めたIT技術を積極的にシステムに導入するなど進化している。

英語での音声入力とキャプション

2022年アメリカ栄養学会でのポスターはePoster(デジタル)で発表するというものであった。手続きの仕方は、ePosterを完成させた後、これをクラウドの指定されたサイトにアップロードし、ポスターの発表内容説明を英語で音声入力するのである。音声入力が終わると録音内容を自動で文字起しをしてくれるのである。これをキャプションというようであるが、ここでAIが利用されていると思った。音声入力した英語の文字起では、米国英語か英国英語をディープラーニングしたAIが日本人の英語を聞き取れるのか疑問であったが、特に問題は無い事を知り、AIのディープラーニングは私の想像を超えるていると思った。近年、多くの場面でのAIの導入は驚くことでもないが、学会開催でも導入しているのが新しい動きである。

従来のデジタルポスターによる発表

デジタルポスターを使っての発表の仕方は読者のみなさんにも馴染みがあると思う。いまでは一般的な方法になっている。デジタルポスターは予め主催者にポスターをPFDなどにして主催者に予め提出し、指定された日時にモニターの前に立ち、写し出され自分のポスターについて参加者に説明するというやり方である。しかし、この方法は参加者が多いと、後ろにいる人はポスターを見ながら発表者の説明を聞くのは難しい。また、発表当日のタイミングを逃してしまうというデメリットもある。

紙媒体のポスターによる発表

紙媒体による発表は、主催者が場所を確保しなければならないことも含めて費用対効果はよくない。また発表者は、開催地にいかなければならないという不都合さもある。私個人としては、紙媒体のポスター発表が好きである。理由は発表する側も聞く側も、直接人とのインタラクションが持てるからである。

今後はオンラインによる国際学会が主流になるのか

今回のアメリカの学会の例を挙げたが、今後はオンラインの国際学会の開催が主流になっていくと思う。この数年COVID-19を経験したこともあり、人が大勢集まることは好ましくない。また、グローバル化が進むと感染症パンデミックのリスクは大きくなること再認識した。隔離という方法がとられる中で、IT技術はオンラインでの開催を可能にしたことを実感している。この傾向は、今後ますます強くなっていくと思う。しかし、パンデミックを経験した私たちは、人と直接会うことがコミュニケーションのクオリティーに違いがあることに気付いてしまった。昨今のリアルで人が参加する国連総会開催の報道を聞くと、人と直接会うことがいかに大切かを再認識できる。

研究者の発表と知的財産化を可能にするIT技術

今回、アメリカ栄養学会は発表された知見をアーカイブ化し知的財産化することを計画しているようである。これを可能にするのがIT技術である。この動向は研究発表した側に大きなメリットを感じさせる。今後は、このような意識を持つ学会に多くの研究者が集まると思う。従来の学会開催形式をとっている学会には、研究者はメリットを感じないため参加者は減っていくであろう。

吉澤和子 著者プロフィール https://libreriahealth.com/profile/

コメント