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研究方法の重要性:栄養と病気の関係におけるエビデンスの質と解釈

Photo by Matthew Henry from Burst

著者 吉澤和子 プロフィール

研究デザインがエビデンスの質を決める

栄養と病気の関係には、「有」となる場合と「無」となる場合があります。どちらが「確からしい」かは、研究論文に書かれた研究方法を読むことで判断できることが多い。

エビデンスにはレベルがある。質の高いエビデンスを得るためには、適切な研究方法が必要である。因果関係を証明するには、複数の高品質な研究から得られた結果が一致していることが必要である。

同じ研究テーマでも、異なる結果が得られることがある。例えば、同じテーマについて米国と日本で異なる結果が出てきた理由について、「国が違うから」と説明する研究者がいる。そういう場合もあるが、「この場合は違うだろう」と思うことも多々ある。

因果関係を証明するためには、スタディーデザイン(研究方法)が重要な役割を果たす。すなわち出版された論文に掲載されているデータがどのように集められ、どのような統計解析手法が用いられたかなどをじっくり検証しなければならない。

信頼できる研究結果を得るには、研究を計画し実施できる研究者の能力が必要だが、資金と時間もかかる。資金すわなち研究費が潤沢にあっても質の高いエビデンスが得られるとは限らない。

最近は、アカデミック・ミュニティーの外でも「エビデンス」という言葉がよく聞かれるが、エビデンスにはレベルがあることが認識されるにはまだまだ時間がかかりそうである。

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